【オススメ本】ビジネス数学の第一人者が教える 史上最高にわかりやすい説明術
どんな本?
突然ですが、会議の報告、お客様へのプレゼン、それから日々の仕事の報告・連絡・相談など説明が求められる場面を想像してみてください。
「結局、あなたは何が言いたいの?」
と相手から言われてしまったり、言葉には出さないけど「分からない・・・」という態度をとられてしまった経験はないでしょうか?
仕事に限らず、プライベートでも他人と協力して生きてくためには説明が上手になることは重要なことです。
だって、相手にうまく説明できるかどうかで、仕事の結果やプライベートの充実度が変わってきてしまうのですから。
本書は、日常の様々な「説明」が求められる場面において、「わかった(理解できた)」を生み出す方法論を伝授してくれる本です。
誰が書いたの?
深沢真太郎(ふかさわ しんたろう)氏
ビジネス数学教育家。
数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、述べ1万人以上を指導してきた教育の第一人者。世界中の学校と企業で「ビジネス数学」が学べる世の中にすることを使命としている。日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。
予備校講師から外資系企業の管理職などを経てビジネス研修講師として独立。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。
さらにSMBC・三菱UFJ・みずほ・早稲田大学・産業能率大学などと提携し講座を提供。2018年には「ビジネス数学インストラクター制度」を立ち上げ、指導者育成にも従事している。
テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。
BMコンサルティング株式会社 代表取締役/一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者/国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター
ビジネス数学.com 〜深沢真太郎オフィシャルウェブサイト〜
https://www.business-mathematics.com/
この本のポイントは?
■ポイント1
説明とは「理解」を提供する行為だ。頭を使って「誰でも同じように理解できる内容」を作り伝えることである。
「説明」と聞くと相手に向かって自分が何かを話すことを思い浮かべがちですが、実際は違います。
「説明」とは相手の「理解」を提供する行為であるのだから、実際に相手に向かって話をする時には「説明」という行為の99%は終わっています。
もし、説明が分かりにくいということがあれば、それは説明が下手ということではなく「誰でも同じように理解できる内容」に関する思考が足りていないということになります。
■ポイント2
説明は、論理的である、相手が感覚的にとらえられる、相手の知っている言葉で語る、という3つの条件を満たす必要がある。
例えば、
「就活がうまくいくためには、エントリーシートがしっかり書けることが重要である」
と言うだけでは論理的な説明ではありません。
論理的に説明するためには、このように言う必要があります。
「就活がうまくいくためには、エントリーシートがしっかり書けることが重要である」
↓↓↓
「なぜなら、就活がうまくいくためには、面接試験に通る必要がある」
↓↓↓
「そのためには、まずエントリーシートの内容で評価されなければならない」
↓↓↓
「だから、エントリーシートがしっかり書けることが重要だ」
それから、使う言葉は普段、相手が見たり、聞いたり、話している言葉の方が伝わりやすくなります。
よく「政治家の話はわかりづらい」と言われることがありますが、その原因の一つに彼らが普段、私たちが使っているような言葉を使って話していないからということがあります。
■ポイント3
相手に感覚的にわかってもらうために、説明上手な人は「例(Example)」と「比喩(Metaphor)」を効果的に用いている。
いくら論理的に伝えられたとしても、相手がピンとこなければ理解してもらうことはできません。
そんな時は、例(Example)と比喩(Metaphor)を使いましょう。
例えば、会社経営においてキャッシュフロー、つまり、お金の流れが重要だと相手に伝えたい時、
「お金の流れは人間の体に例えると血液のようなものです。どこかで詰まって血液の流れが止まってしまったら大変です」
と伝えると相手の理解の助けになります。
まとめ
この本の中で特に印象的だったのが「説明の良し悪しはやさしさの量で決まる」というところです。
なぜ印象に残ったかというと、世の中には説明のノウハウが溢れていますが、相手にとって分かりやすい説明ができるかどうかということは究極、相手のことをどれだけ理解し、思いやっているかに比例するからだと思うからです。
「この説明のしかたをしたらきっと相手はこんな疑問を抱くのではないか?」
「この言葉を使って、相手は分かるだろうか?もっと、相手にとって分かりやすい言葉はないか?」
などと色々な思考をめぐらすことは、相手に対する理解と思いやりがあって、はじめてできることなのではないでしょうか?
相手の立場に立って、思考を一生懸命にめぐらすことこそ、説明上手な人が常に意識していることなのかもしれません。