なぜ、「朝」専用缶コーヒー「モーニングショット」は売れ続けているのか?

もし、あなたが缶コーヒー好きでしたら、朝専用缶コーヒー「WONDA(ワンダ)モーニングショット」のことはよく知っていると思います。

WONDA(ワンダ)は、アサヒ飲料が1997年から販売している缶コーヒーおよびペットボトル入りコーヒー飲料のブランド名です。

さかのぼること2002年10月 、”「朝」専用缶コーヒー「モーニングショット」が発売され、発売わずか2ヶ月でなんと年間販売目標の400万ケースを突破し、驚異的な売り上げを記録しました。

なぜ、「朝」専用缶コーヒー「モーニングショット」はこんなにも売れたのでしょうか?

他の缶コーヒーよりも美味しかったからでしょうか?

人気の芸能人を起用してCMをやったからでしょうか?

もちろん、味も美味しく、CMも行いましたが、それが大きな「違い」を生み出したわけではありませんでした。

「違い」を生み出したものは何だったのか?

それは「タイミング」を変えたことにありました。

これまで、各社がコーヒーの豆や製法など「味」を競い合っていた中で、WONDA(ワンダ)は「味」では勝負せず、1日の「朝」という限定された「タイミング」に特化した商品として売り出すことで勝負に出たのです。

結果、朝という限定された時間に特化したにも関わらず、「モーニングショット」は異例のヒットを記録し、今も同じコンセプトで売れ続けています。

当時、WONDA(ワンダ)は缶コーヒーブランドで業界5位のポジションに甘んじていました。

なんとか巻き返しをはかるべく、WONDA(ワンダ)は原点にかえって、徹底的に缶コーヒーの価値を見直すことを行いました。

人はどんな時に缶コーヒーを飲んでいるのか?

調べていくと缶コーヒーは「朝の眠気ざまし」「仕事開始前に気合を入れる」ためによく飲まれていることが分かりました。

そこから「朝専用」というキーワードが生まれ、ヒットにつながったのです。

このように、売る「タイミング」を限定すること、成功した例は他にもあります。

「サッポロ冬物語」というビールを知ってますか?

実はこのビール、日本初の季節限定ビールなんです。

ビールといえば、やっぱり夏ですよね?

当時、ビールは暑い夏に良く売れていたのですが、冬は需要が落ち込む状況でした。

そこで、需要が落ち込む冬に向けて限定商品を出そうというアイディアが生まれ、シェイクスピアの戯曲『冬物語』からネーミングされて発売されたのが「サッポロ冬物語」です。

このビールもロングセラーとなって、今でも売れ続けています。

でも、よく考えてみてください。

普通の缶コーヒーと朝専用缶コーヒー、普通のビールと冬のビール、透明のグラスに注いで見た目、どちらか分かない状況で飲み比べた時、その味の違いが分かるでしょうか?

たぶん、ほとんどの人はその違いを見分けることは難しいのではないでしょうか?

このように、言葉やパッケージの力を使えば、「売れない商品」も「売れる商品」に変えてしまうことが可能なのです。

あなたの会社でもキャンペーン企画やPOPなどの販促のやり方を工夫することで、売り上げを大きく変えていけるかもしれません。

自分の業界は違うとは考えずぜひ、試してみてください。

最初は小さな一歩かもしれませんが、それがやがて、売り上げを劇的に変える大きなきっかけになるかもしれません。

 

関連記事

PAGE TOP