パチンコ店跡を活かしたFCビジネス。の可能性に迫る

24時間営業年中無休、1日100円から利用できるフィットネスジムとして急成長しているスマートフィット100(通商スマ100)。運営会社の株式会社スマートフィットネスがスマ100を新規事業として立ち上げてから約2年。現在9店舗の運営体制にまで拡大し、更に今夏2店舗のグランドオープンを控えているという。
同社の出店候補地は別業態の不採算店跡地だそうだが、本・DVDショップ、飲食店、薬局など幅広い。そのような中、現在はパチンコホール企業からの引き合いも多いとのことで、パチンコ店からの業態変換による可能性について、代表の丹野氏にお話をお聞きしました。
―最近はフィットネスやジムへの注目度が増しています。
そうですね。フィットネスの分野はヘルスケア産業として括られています。日本人の平均寿命が80歳を超えて100歳に近付く中、医療ばかりではなく、健康や予防への意識が高まっています。
このような背景の中、ヘルスケア産業は政府の掲げる成長戦略の重要な柱のひとつとしても注目度が増しています。
―ヘルスケア産業の市場規模は?
次世代ヘルスケア産業協議会によると、ヘルスケア産業全体の市場規模は2016年の25兆円から、2025年には33兆円へと成長する見込みです。
さらに、運動分野のフィットネスの市場規模は2025年に1兆5900億円になると算出されていて、ヘルスケア産業の中でも成長著しい分野です。
―最近はジムやトレーニング、サプリなどのテレビCMが増えている印象です。
やはり、ライザップのCMの印象が強いでしょうか。ライザップはパーソナルトレーナーが就く個別トレーニングですが、その他にも、ゴールドジムのようにトレーナーとしての知識を持った人が集まるジム、小規模で24時間営業のフィットネスジムなど。大きく分けると三つの形態があります。
―スマートフィットネス100は小規模で24時間営業のフィットネスジムに該当しますね。ところで、丹野氏がフィットネスジムを始めた理由は何ですか?
以前からヘルスケア産業には注目していましたが、伸びている分野で店舗型のストックビジネスを始めたいと考え、たどり着いたのが24時間営業のフィットネスジムでした。
また、オペレーションさえしっかりしていれば店舗数を増やしやすいし、成功率も高いだろうと考えていました。
―そう考えるきっかけは?
私は24歳の時、6坪の敷地で本やゲームを販売するショップを開業し、その後、焼肉店FCやブランド買取店など色んなビジネスを手掛けました。しかし、焼肉店はBSEの打撃を受け、本・ゲームのショップやブランド買取はインターネットサイトやスマホアプリでの取引が盛んになったことによって店頭取引の限界を感じるようになりました。
―オフラインビジネスの限界ですか。
はい。また、今まで手掛けてきた小売業は天候や気温、オリンピックやワールドカップなど、イベント事の影響も受けますので、次に行うビジネスは時期的な影響を受けにくいモデルにしたいと考えていました。
―なるほど。
インターネットが急速に発達している中で逆を行く発想ですが、インターネットに依存しなくても成長できるビジネスをやりたかったです。体を動かすのは今のところリアルしか有りえないですから、24時間営業のフィットネスジムはいつでも出入り自由だから気軽に通えるし、コストも安価でいいなと思いました。
―フィットネスジム、最近すごく増えているような気がします。
日本生産性本部が発行するレジャー白書2017によれば、2016年のフィットネスクラブ市場は過去最高を記録していますし、数自体も増加しています。ファミリーマートがコンビニの2階や敷地内にFit&Goというブランドで24時間ジムを出店するというニュースもあり、各社注目しています。
スマ100は2階のみなど、物件に合わせた出店が可能なのも強み
―異業種からの参入も多いのでしょうか。
そうですね、体感ではありますが多いと思います。当社は24時間ジムとしては後発組ですが、3年で5店舗出店して多くの試行錯誤をしました。現在は直営店を含めて9店舗体制にまで拡大していますし、おかげさまでフランチャイズの引き合いも増えています。
―24時間営業のフィットネスジムは全国にどれくらいあるんですか?
全国に約700店舗あると言われています。その中でも、エニタイムフィットネスは今年1月に300店舗体制になるなど急速に勢力を拡大していますね。他にも、ジョイフィット24やFASTGYM24など、競合は多いですけど、市場が拡大している分、参入余地は大きくあると思います。
―現在、スマ100が出店している場所は駅周辺が中心ですね。
そうですね。駅周辺の80坪から130坪程度で視認性の良い物件を選んでいます。
1日100円から使えるフィットネスというコンセプト。この手軽さから、スマ100が初めてのジム通いというユーザーも多い(上記価格はスマ100柏店のもの)
―駅周辺のパチンコ店の居抜き案件の引き合いが増えていると。
はい。ここ数年ですごく増えています。概ね1.2階で200坪くらいあるパチンコ店が中心でしょうか。パチンコ店は天井が高いので開放感があり、居抜きでエアコンなどの設備も活用できることが多いのでイニシャルコストが抑えられるというメリットもあります。
パチンコ店オーナーさんがパチンコ店から業態変更したケースもあって、5年で10店舗以上オープンさせて既にパチンコ店の収益を上回っているという話です。
―開業するために必要なものは何ですか?
初期費用で6000万円~7000万円ほどかかります。ランニングコストは約80坪のスマ100で毎月250万円程度。ほとんどが家賃、人件費、広告宣伝費で、それ以外にロイヤリティとして月額固定費をいただいています。
―この点でのスマートフィットネス100の強みは?
ジムをフランチャイズで開業しようとした場合の初期費用は1億円以上、投資回収には7、8年かかりますが、当社は設備コストを大幅に抑えるスキームを構築しているので、平均2年で投資回収できます。
また、毎月いただくロイヤリティが業界平均の半分だという強みもあります。
水素水が無料で飲み放題など、ジムユーザーの心をくすぐるサービスも充実している。
―スマ100の経営で大切にしている指標は何ですか。
会員数の獲得です。スマ100は概ね600人の会員数が損益分岐点になるので、ますはオーナーとそこを目指して綿密な戦略を立てて行きます。会員600人を越えれば、純増分利益に直結するストックビジネスです。
―この点も、パチンコ店と相性が良いとお話されていますね。
会員を獲得するのも大切ですが、会員を退会させないのも非常に重要です。そのために重要なのがジムでの対応、つまり接客です。パチンコ店は接客に対する意識が非常に高いので、パチンコ店で活躍しているスタッフはジムスタッフとしても活躍できます。
統計的には、4回ジムに来てもらえれば固定客になります。ほとんどのお客様がトレーニング器具の正しい使い方を理解していないので、正しい使い方、姿勢、負荷のかけ方などを丁寧にレクチャーして行くことが大切です。
ジム内の接客も繁盛店には欠かせない要素。パチンコ店スタッフの接客力が活きてくると丹野氏は話す。
―パチンコ店で働く人材が活きてくると。
フィットネスビジネスは装置産業ですが、だからこそ差別化として人の力は大きいのではないでしょうか。パチンコ店の接客はきめ細やかですから、気配り心配りが武器になるでしょう。
―分かりました。今後のスマ100の展開について教えてください。
スマ100ブランドで全国展開して行くために、直営店以外の加盟店を増やして行きたいと思っています。パチンコ店跡地はとても良い物件ですので、別業態を検討しているオーナーさんなどは、ぜひ声を掛けてほしいと思います。
―ありがとうございました。
24時間営業のフィットネスジムとして急成長しているスマートフィット100は、フランチャイズの募集を行っています。
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スマ100/24hフィットネスジム:株式会社スマートフィットネス